ギア比・平歯車計算ツール
ギア比とは従動ギアの歯数を駆動ギアの歯数で割った値です。ギア比が大きいほどトルクが増加し、回転数が減少します。自動車・バイク・産業機械の動力伝達設計に活用できます。
ギア比・ピッチ円直径・中心距離・接線力・ラジアル力・ピッチ線速度を計算する平歯車設計ツール。
T
T
m
力解析(任意)
N·m
rpm
※ 入力トルクを入力すると力解析を実行します
アニメーション|ピッチ円
ギア比・平歯車計算ツールの使い方
- 「駆動歯数(ドライブ側)」と「従動歯数(ドリブン側)」に歯数を入力します。
- 「モジュール」を入力すると、ピッチ円直径と中心距離も計算されます(任意)。
- 力解析セクションで「入力トルク」と「圧力角」を入力すると、接線力・ラジアル力・ピッチ線速度も計算されます(任意)。
- 「計算する」ボタンを押して結果を確認します。
ギア比とは?
ギア比(歯車比)とは、駆動側ギアと従動側ギアの歯数の比です。「従動歯数 ÷ 駆動歯数」で求められます。たとえば駆動ギアが20枚・従動ギアが60枚であれば、ギア比は3.0(3:1)です。
ギア比はトルクと回転数の変換比率を決定します。ギア比3.0の場合、出力回転数は入力の1/3に減速される一方、トルクは理論上3倍に増大します。この性質をトルク増幅効果と呼び、減速機(リデューサ)設計の基本指標です。
逆にギア比が1未満(駆動歯数>従動歯数)の場合は増速機となり、回転数が上がる代わりにトルクは減少します。用途に応じて適切なギア比を選定することが機械設計の要点です。
設計パラメータの意味
歯数のほかに「モジュール(m)」と「圧力角(φ)」が平歯車設計の重要なパラメータです。
- モジュール(m)
- モジュール(m)は歯の大きさを表す基準値で、「ピッチ円直径 ÷ 歯数」で定義されます。JIS B 1701規格では0.5・1・1.5・2・3・4・5・6・8・10などの標準値が定められており、噛み合わせるギアは同一モジュールでなければなりません。モジュールが大きいほど歯が大きく、より大きな力を伝達できます。
- 圧力角(φ)
- 圧力角(φ)は歯形の傾き角で、JIS・ISO標準は20°です。14.5°は旧規格、25°は高強度が求められる特殊用途向けです。圧力角が大きいほど歯元強度は上がりますが、軸受に掛かるラジアル力も増加します。
ピッチ円直径(d = m × z)は歯車の基準円の直径です。中心距離(a = m(z₁+z₂)/2)は2つのギアの軸間距離で、機械レイアウト設計に直結します。
平歯車の主な用途
平歯車は構造がシンプルで製造しやすく、幅広い機械に使われています。
- 産業用減速機
- サーボモーターや電動モーターの出力軸に取り付け、高回転・低トルクを低回転・高トルクに変換します。産業ロボットのアーム関節や搬送設備のコンベアドライブなどに使われます。
- 3Dプリンタ・CNCマシン
- FDM方式3DプリンタのエクストルーダーやCNCの送り軸では、ステッピングモーターのトルクをギアで増幅しつつ精密な位置決めを実現するために平歯車が多用されます。
- 時計・計測機器
- 機械式時計の輪列(ホイールトレイン)は複数の平歯車・冠歯車の組み合わせで構成されており、ぜんまいのエネルギーを秒針・分針・時針の回転に変換します。
よくある質問(FAQ)
- ギア比1.0とはどういう意味か
- 駆動ギアと従動ギアの歯数が同じであることを意味します。この場合、回転数もトルクも変化しません。1:1の直結伝達として使われることがあります。
- モジュールが違うギアは噛み合わせられるか
- 原則として噛み合わせられません。モジュールが異なると歯のピッチ(間隔)が合わず、正しく噛み合わないため破損の原因になります。ただし特殊な転位歯車を使う場合は例外があります。
- 標準圧力角はなぜ20°なのか
- JIS・ISOの標準は20°です。14.5°に比べて歯元の強度が高く、アンダーカット(歯の根元の削れ)が起きにくいためです。現代の汎用歯車ではほぼ20°が採用されています。25°はさらに高強度が必要な特殊用途向けです。
- 接線力とラジアル力の違いは何か
- 接線力(Ft)はピッチ円の接線方向に働く力で、回転を伝達する主成分です。ラジアル力(Fr)は軸中心方向に働く力で、軸受(ベアリング)に掛かる荷重です。Fr = Ft × tan(φ) の関係があり、圧力角が大きいほどラジアル力も増加します。
- 大きなギア比を1段で実現できるか
- 1段のギアペアで実現できるギア比には限界があります(一般的に1:10程度が上限)。大きなギア比が必要な場合は、複数のギアペアを直列に組み合わせた「多段歯車列」を使います。各段のギア比の積が全体のギア比になります。
トルク・出力(馬力)・回転数計算ツールはこちら
ギア比からトルク倍率を求めた後、実際のトルク・出力・回転数の関係を計算できます。モーターや減速機の出力仕様を検討する際にご利用ください。